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Pirelli研究所がタイヤ騒音の最適化

Tire Noise Optimization 2Pirelli社は、世界6大タイヤ・メーカーの1つであり、その売上げは、32億ドルを超えます。Pirelli社の製品範囲は、乗用車用タイヤ(標準、高性能、モータースポーツ)、トラック、バス、農作業車、土木作業機械、およびオートバイ用タイヤで構成されています。Pirelli社は、高品質タイヤの開発に多大な技術的貢献をしてきましたが、Pirelli社による最初の自動車用タイヤの特許取得は、1901年までさかのぼります。ほかにも、ラジアル・タイヤ技術の特許を1948年に、ロー・プロファイル自動車用タイヤの特許を1970年に取得しています。さらに、最近では、新型高性能ウルトラ・ロー・プロファイル自動車用タイヤP6000とP3000の特許を取得しています。Pirelliグループは、技術プロセスと製品改良への取組みを明確にし、世界中に散らばる6つの研究所で実施されている研究には、収益の3%が再投資されています。

Ing. Federico Mancosu氏(イタリアのMilanにある研究所の所長)は、タイヤ騒音を減らす新技術の使用を積極的に進めています。この研究所では、LMS SYSNOISEを使用して放射騒音を予測するだけでなく、LMS CADA-Xテスト解析システムをいくつか使用して、タイヤ騒音特性を調べています。また、Pirelli社は、現在進行中のヨーロッパ研究プロジェクトTINO(TIre Noise Optimization)の主要提携パートナーの1つでもあります。

TINOの目的の1つは、放射騒音を実際に発生する回転タイヤの表面を詳細に調べることですが、この研究手法は、完全に実験に基づくものであり、ASQ (Airborne Sound Quantification)手法を用いています。定義された条件下で測定される各種タイヤの表面が音圧に及ぼす影響が、Pirelli社のシャシ・ダイナモメータで定量化されました。
 
この設備を構成する2mの回転ドラムは、地下に取り付けられており、この回転ドラムの最上部は床と同じ高さになっています。タイヤは、自由回転シャフトに取り付けられ、電気駆動回転ドラムに押し付けられます。ドラムは、電気で速度制御され、数時間一定速度を維持します。この装置のもとでは、境界条件は、きわめて適切に制御され、非常に高い再現性が得られ、そこではホイール・サスペンションおよび自動車に関する力学は完全に除外されます。


Tire Noise Optimization 1
標準製品P6000タイヤは、3500Nのプリ・ロードを加えて、50km/hの一定速度で検査されました。このタイヤに関する測定は、次の3種類の収集データから成ります。すなわち、タイヤの周囲およそ3cmごとの336か所の動作圧力、タイヤのサブサーフェス84か所とこの動作圧力間のニア・フィールド音響FRFとファー・フィールド音響FRFの測定です。合計で、84 x 336 = 28224個の FRFga測定されました。この解析は、最大1000Hzで実行され、この結果、騒音のファー・フィールド合成は、直接測定値とかなり一致し、ニア・フィールドでも、適切な結果が得られました。このタイヤ用途へのASQ法の実証は、今年のSAE Conferenceで、Ing Mancosu氏とWim Hendricx (LMS Engineering Services) 共著の論文として発行されます。
Pirelli社の別の研究領域に、タイヤ騒音予測のためのモデル開発がありますが、これは非常に複雑な作業です。タイヤには大きな非線形あるため、大きな静荷重、動荷重、および遠心荷重をうけます。タイヤは、衝撃力、粘着力、およびスリップ力を受け、タイヤ溝では空気のポンピングが起こります。タイヤ変形を調べると、道路の凹凸などの構造的な励振により、非常に多くの種類の振動と変形が発生し、その一部は無視できない高周波となります。

Pirelli社の物理学者Ennio Cervi氏は次のように述べています。「最初、音響-構造結合モデルを使用したBoundary Element Method(境界要素法)を使用して、(1000Hz周辺の)タイヤの2次固有周波数までの音場を予測しました。しかし、これには非常に細かいメッシュ密度が必要なため、計算に非常に時間がかかりました。さらに、境界要素法を使用すると、道路表面のアドミタンス境界条件を考慮できません。そこで、従来型の周波数領域の構造-音響結合のモデル化の処理を後回しにして、時間領域で計算を開始しました。」
 
Pirelli社は、新型I-FEM法(LMS News Vol. 13.1を参照)を採用した最初のSYSNOISEユーザの1つです。I-FEMを使用すれば、境界要素の代わりに有限要素を使用することができます。この代替法では、従来型有限要素の組み合わせを使用して、放射構造周辺のニア・フィールドをカバーすると共に、無限に伸びた無限要素層を1層使用して補完します。音響DOFの個数が、境界要素の場合より多いときには、通常計算時間はかなり短くなります。これは、方程式系のマトリックス要素が疎になるからです。「TINOプロジェクトでPre/SYSNOISEの初期バーションを使用できるようになったときに、メッシュ生成の主要問題が払拭されました。
その後、時間領域で解析する必要があったため、I-FEMの使用を決めました。I-FEMにより、計算時間が急激に短くなりました」とEnnio氏は述べています。Pirelli社は、ABAQUSを使用して、小さな30msの隆起を超えるときの回転タイヤの力学をシミュレートしています。また、LMSは、「静的」放射表面に加速データを変換するために、SYSNOISEとの特殊インタフェースを開発しました。このため、0.5msのバンプ・イベントごとに、騒音・パターンが予測されました。



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