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環境性能と燃費性能を向上させたフォード車が、今グローバルビジネスに乗り出す

かつてアメリカを変えたブランドが、再び表舞台に立とうとしています。

Fordのドライブ・ワンキャンペーン

アメリカの自動車メーカーFord 社は、現在、再び表舞台に立つための努力を懸命に続けています。今年になって、我々はミシガン州ディアボーンでパワートレイン部門の何人かの幹部と専門家に面会し、Ford 社で何が変わろうとしているのか、そしてそれが100 年前のT 型フォード以来、同社に対する世間の評価をいかに転換させようとしているのかについて直接話を聞くことができました。


Ford 社は、米国の自動車産業部門において、事実上一夜にして変革を遂げました。このように生まれ変わってスリム化したFord 社は、よりグローバルな観点で、より環境に配慮しながら、最新のエコ技術をもって自動車産業をリードして行く決意でいます。この変革の鍵となったのは、同社CEO のAlan Mulally 氏による「1 つのフォード」というグローバル化コンセプトの推進であると関係筋は見ています。そのコンセプトは、Ford 社の現地化アプローチをグローバルアプローチに転換すること、そしてそれを電撃スピードで実施することを意味しています。

「我々の戦略は明白です。それは、品質と燃費性能に関してどこにも劣らない、新たな乗る楽しみ感じさせる素晴らしい車を提供することです」と、米国Ford 社社長Mark Fields 氏は話
しています。「しかも、我が社のほとんどの車種は、新型パワートレイン、フォード独自のスマート技術、より高度な安全機構をそれぞれ装備することになります。」

グローバル化へと舵を切る

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そして、この時宜にかなった取り組みは、期待する成果を上げ始めているように見えます。Ford 社は、自分たちが世界各地の市場で適切な場所に適切なタイミングで臨んでいることを知っています。Ford 社で遂行された最大の変革の1 つは、車両およびエンジン部門のグローバルなエンジニアリング組織の編成でした。同じ事はパワートレインにも当てはまります。

Ford 社のパワートレイン組織は、車種向けのエンジンとトランスミッションに関してはすでにグローバルに活動して来ましたが、「実装グループ」は完全に地域に分散していました。「実装グループでは、様々なLMS ツールを用いて主要なNVH 問題を解決していますが、完全に車両ごとの取り扱いです。全フォード車が1つの固有なDNA を持つよう世界規模でプラットフォームを共通化するには、私たちはもっとグローバル化を推進しなければいけませんでした。今日私たちは、それがパワートレインの音質であっても、ブレーキ感覚や操縦性であっても、全車種で同じ結果となることを目指しています。いずれ私たちは、全車種に共通の言語で話すことができるようになるでしょう」と、Ford 社のグローバル・パワートレイン・エンジニアリング担当副社長のBarb Samardzich 氏は説明しています。

エコカーに対する世界需要の一歩先を行く

この新しいグローバル戦略は、Ford 社が必要としていた機敏さをもたらしました。ガソリン価格が高騰する中、消費者は燃費の良い車を望むようになり、Ford 社もそれに対応してきました。

「それはまるで突然スイッチが切り替わったようでした。ガソリン価格が1 ガロン3.50 ドルにも達して、トラックや大型SUV の販売は急激に落ち込みました。幸運にも、私たちには欧州で生産された丁度良いタイプの小型車がありました。我が社の製品開発スケジュールは実にうまく機能し、来たるべき変化を見通す先見の明がありました。確かにそれは、予想を上回る速さで来ましたが」と、Barb Samardzich 氏はコメントしています。

EcoBoost エンジンの出現

この“グリーン戦略” を成功に導く立役者となるのは、Ford 社の新しいEcoBoost エンジン技術です。ターボチャージャーとガソリン直噴技術を組み合わせたEcoBoost エンジンは、大排気量のエンジンに比べて最大20 パーセントの燃費向上と15 パーセントのCO2 削減を約束しています。Ford 社は、2012 年までに北米向け車種の80 パーセント以上にEcoBoost を搭載する予定です。同様に、よりクリーンで燃費の良いDuratorq ディーゼルエンジンは欧州戦略の切り札となっています。米国市場では、
2010 年発売の「フォード・リンカーンMKS」とスタイリッシュなクロスオーバー車「フォード・フレックス」にEcoBoost V6 エンジンが採用されます。四気筒EcoBoost エンジンは、2010 年に北米と欧州の両地区でデビューする予定です。

EcoBoost エンジンのNVH 課題

競合他社と同様に、Ford 社も消費者が燃費の良い小型車を強く望んでいることは知っています。そしてFord 社は、ターボチャージャー付きの高トルクなEcoBoost エンジン技術にこそ、その答があると考えています。ドライバビリティを損なうことなく低燃費を実現できるなら、それは明らかに消費者にとって喜ばしいことです。しかしこの技術的転換は、Ford 社のAdvanced Engineering Center に勤務するNVH 部門のHenry Ford Technical Fellow であるDr. Abe と彼のチームにとって、新たなNVH 課題のすべてを解決しなければいけないことを意味していました。

「Dr. Abe は自然吸気エンジンの方が音響特性の調整が容易だと話すことでしょう。ご存じの通り、ターボチャージャー付きエンジンはまったく異なるノイズ特性を持っています。ターボチャージャー付きEcoBoost エンジンには、NVH に関する多くの課題があります。私たちは、パワートレインに洗練された音色を与えると同時に、ユーザーがエンジン音に期待する力強さも実現する必要がありました」と、BarbSamardzich 氏は付け加えています。

従来のNVH 対策を改める

従来、NVH 部門のエンジニアは、素材の重みを増すなどして騒音や振動を抑えていましたが、もうこのような逃げの対策はやめて、それに代わる新しい方法を見つけなければならないほど、今では燃費の良い小型車がブランドの推進役となっています。

「NVH エンジニアは、“重くすれば改善される”という一般経験則に慣れ過ぎていました。今我々は、重い遮音材を使用することから脱却して、制振、遮音、および吸音に、より軽量な材料を用いなければいけません。我々は、より軽量かつ効果的、しかも環境に優しいハードウェアでNVH の改善を図る必要があります」と、Dr. Abe は話しています。「この新しいEcoBoost エンジンは、力強い走りの性能を反映したエンジン音であると同時に、乗り換える車の例えばV8 エンジンの音に慣れてしまっているユーザーにも、十分魅力的で洗練されたものでなければいけません。」

98g CO2 の世界戦略車「フォード・フィエスタ」

顧客は低燃費車を求めていますが、同時にCO2およびNO2 排出量の少ない“低公害車” を望んでいます。トヨタ・プリウス(104g/km CO2)のようなハイブリッド車やスマート(88g/kmCO2)のような超小型シティカーは、すでに環境意識の非常に高い消費者の関心をつかんでいます。

「お客様はグリーン革命を推進しようとしています。そのため、より環境に優しいクルマを求めています。私たちとしては、常に時代の先を行く経営をしていかなければいけません。100g以下のCO2 レベルを達成することが、Ford 社にとって非常に重要であった理由はここにあります」と、Barb Samardzich 氏は話しています。

昨年8 月には、排出量98g/km のエコカーである「フォード・フィエスタ」が独ケルン工場の生産ラインを離れました。フォード・フィエスタはFord 社にとって初となる真の世界戦略車であり、2009 年1 月にはスペインのヴァレンシアで生産が開始されます。今後、中国、タイ、そしてメキシコでも生産される予定です。

ハイブリッド車は誇大宣伝?

トヨタとレクサスの宣伝活動によって、環境意識の高い消費者の多くがハイブリッド志向へと大きく傾きつつあるようです。Ford 社は、市場に先駆けてSUV ハイブリッド車(2005 年のフォード・エスケープ)を発表し、来年には「フォード・フュージョン」と「マーキュリー・ミラン」のハイブリッドバージョンを投入することで、ハイブリッド車の生産台数を倍増させる予定です。

しかし多くの人々が、ハイブリッド車を買うことが十分環境に優しいことなのか思案し始めています。確かにハイブリッド方式のパワートレインは、燃費改善と排ガス削減など、環境保護のいくつかの課題に対する解答であることは間違いありません。しかし専門家は、この技術が十分に成熟するにはまだまだ時間がかかると、事あるごとに指摘しています。
「ハイブリッド車の主要なNVH 課題の1 つは、エンジン駆動とモーター駆動の両モード間における振動騒音のシームレスな移行です。もう1つの問題は、モーター駆動モードでの非常に低い騒音レベルにあります。他のノイズのマスキング音となるエンジン音が存在しません。このことは、パワートレインノイズ、ロードノイズ、および空力ノイズの音のバランスが大きく異なることを意味します」と、Dr. Abe は説明しています。

では将来のエコカーとは?

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多くの自動車専門家の意見は、現時点でハイブリッド車は論議中の環境対応車の1 つに過ぎない、という点で一致しています。Ford 社は現在、燃費が良くCO2 やNO2 排出量の少ない一連のエコカー製品の開発を進めているだけでなく、業界各社と協力してハイブリッド技術の熟成にも力を注いでいます。

「パワートレインの専門家として言わせてもらえれば、将来は電気自動車の時代だと思います。石油は結局のところ限りある資源です。抽出にますますコストがかかるようになり、石油価格は上昇し続けるでしょう。この状況が続く限り、代替推進システムはますます魅力あるものになります。」

Barb Samardzich 氏は次のように続けています。「2015 年あたりには、我々は街中で電気自動車が当たり前に走っているのを見ることでしょう。技術が向上しインフラが整備されれば、我々はスタンドに寄って10 分後には新しいバッテリーパックを手に入れることも可能になります。すぐには無理ですが、おそらく20 年以内には実現されるでしょう。」そしてDr. Abe は次のように締めくくっています。

「我々は、単なるハイブリッドエンジンよりも、充電システムにずっと大きな期待をかけています。我々は、エネルギー回収システムと、異なるタイプのハイブリッドシステムや部分ハイブリッドシステムに注目しています。Ford 社の顧客、特に米国のユーザーは、冬場の走行性能に優れたタフな車を期待しています。そのため、我々はハイブリッドシステムを総輪駆動に進化させる努力をしていく必要があります。我々は、非常に広範囲に渡ってハイブリッドシステムや充電システムの調査研究を進めています。

仕事にぴったりのNVHツール

北米Ford社のP/T NVHマネージャMark Stickler氏が、マイナーな微調整と大掛かりなオーバーホールとの差はどうして生まれるか、また有効かつ基本的なエンジニアリングの秘訣とは何かを語ります。

自動車産業を取り巻く環境の変化や、製品開発サイクルの問題にどのように対処していますか?
当然ながらFord 社においても、エンジニアリング費用は削減され、その結果、製品開発サイクル期間も大幅に削減されてきています。最善の方法は、有能なNVH エンジニアと最高のNVH ツールを揃えて、“初めからきちんと” エンジニアリングを行うことです。我々は、このような初期段階での作業、すなわち1 年目の仕事が成功するために最も重要だと考えています。当社が使用しているLMS 製NVH ツールは、初期段階における成功要因の1 つとなっています。
LMS ツール以外に、何か成功の鍵はありますか?
我々は、NVH の設計ルールを通じて、障害モードを回避するため物理現象の把握に多くの時間を割いてきました。我々は、構造の観点から設計問題を解決するようにしています。そこから開発を進めることで、作業負担を大幅に減らせます。

なぜ、そのように作業するのですか?
基本の物理学と適切な設計構造から開始することこそ、優れたエンジニアリングなのです。それが競争上の優位性につながります。今日の優れたエンジニアリング会社とは、迅速かつ効率的で機敏な会社だと思います。開発期間の短縮は、優れた設計実施例の活用と、初期段階での分析ツールの利用によってのみ達成可能です。それによって、“チューニング段階”のマイナーな微調整で済むか、最終段階の大幅な再設計が必要となるか、状況が一変するのです
現時点でNVH に関する最大の課題は何でしょうか?
V8 からV6 へ、そしてI4 へとエンジンのダウンサイジングが進んでいます。それぞれのエンジンは異なるNVH シグネチャを持っています。それらエンジンから発生する荷重を、様々な車体構造や車両プラットフォームとうまく調和させることは大仕事です。

では、ブランド音についてはどのように考えていますか?
エンジンに関しては、フォードブランドのDNAを阻害することのないように音に磨きをかける必要があります。独特なNVH シグネチャとは違った調整が必要です。我々は、パワーパックをできる限り静粛で洗練されたものとなるよう設計し、そして次に“音楽” を奏でます。つまり排気装置、吸気装置、マウント装置などのエンジン周辺機器を通した構造のチューニングです。それはまるでオーケストラのチューニングです。DNA 要件を満たすために必要な、適切なスタイルの音楽を奏でるよう、パワーパックに追加できるいくつかの基本事項があるのです。

この状況にLMS が当てはまる部分はどこですか?
我々は今、まさしくFord 社で文化革命を経験しています。我々は、当社の厳しい開発期間に対応した世界最高レベルのプロセスを開発してきました。明らかに、LMS Virtual.Lab やLMS Imagine.Lab などのLMS のソリューションや分析ツールは、これら世界レベルのプロセスの重要な要素となっています。試験製品についても同様です。現在我が社では、LMS Test.Lab への3 年間のアップグレードプログラムが進行中です。
LMS Test.Lab がもたらすメリットは何でしょう?
我が社が掲げる目標の開発期間とコストを達成できる重要な技術だと思います。現在3 年間のアップグレード期間の2 年目にいますが、ある作業で50% に達するほどの目覚ましい効率アップを確認しています。LMS Test.Lab による素晴らしい改善効果によって、たった一人でもデータ収集が可能になっています。これは、当社のエンジニアリング効率目標を達成する上で、大きなメリットとなっています。


自動車設計における仮想技術の役割

伝統的なV 字型のエンジニアリングプロセスから仮想技術へ移行することは、ほとんどの自動車メーカーにとって重要な課題の1 つです。他の多くの企業と同様に、Ford 社においても、プロセス効率を高めてコスト制限を守りながら高い品質基準を満たす製品を迅速に市場に投入するため、社内でGPDS(Global Product Development System)と呼ばれる製品開発プロセスの合理化を大々的かつ急速に進めています。パワートレインNVH CAE マネージャのMario Felice 氏は、この成功の一部は仮想技術が貢献していると信じています

「CAE はプロセスの上流で設計最適化を促進し、その結果、後段階での設計変更と試作実験を大幅に削減できるため、GPDS にCAE を完全な形で組み込むことがプロセス効率アップに不可欠でした。GPDS は、過去の実験主導型の開発プロセスからの脱却です。当時、CAEは最終製品試験に先立つ解析評価と設計検証のために、主に下流工程で用いられていました」と、Mario Felice 氏は話しています。「この2 ~3 年に渡ってFord 社が行ってきたことは、プロセスの大幅な改革です。我々の“ドライブ・ワン” キャンペーンとこの新しいGPDS プロセスへのこだわりが、我々をほぼナンバーワン品質スポットへと引き上げました。」

猛烈なペースで進むFord の新しい開発サイクル

現在Ford 社では、設計が評価特性と機能上の目標をすべて達成できるよう、そして、極めて短く設定されたデザイン決定日を確実に守れるようにするため、CAE とCAD の担当者は一緒に作業しています。設計が決定されると、そのパーツが作成されて実物試験が行われ、同時にCAE 部門がそれらのモデルが妥当であることを確認します。次に、彼らは元来た道を引き返し、学習した教訓を生かして次のプロセス改善に役立てます。「我が社の新しいGPDS プロセスは非常に効率的です。それは途切れることのないループです。ブラブラしている時間などありません。ぜいたくは許されないのです。本当に余裕などないのです」と、Mario Felice 氏は話しています。

かつて、Ford 社ではCAE は副業でした。しかし現在では、間違いなく開発プロセスの上座を占めています。このようにCAE プロセスが設計を主導しつつあるため、Ford 社のチームは、全員が最適化と設計ロバスト性を実現するための適切なツールを持つ必要があると考えるようになっています。「グローバル企業として、北米、ヨーロッパ、そして南米でモデルを共有しようとするなら、同じソフトウェアツールとテクノロジーを使用することが特に重要です。最終的に、設計案A とB を比較する必要が出たとき、人々が同じソフトウェアを用いて同じ方法で解析できるようにしなければいけません。このプロセスの共有化こそ、我々の取り組むべき課題です」と、Mario Felice 氏は述べています。

複数の属性にまたがる最適化への道

これらプロセス改善の一環として、Ford 社は、CAE 技術が緊密に統合されている3D プラットフォーム、Dassault Systèmes 社のCATIA を全世界で標準化する決定を下しました。Ford 社のチームは、現在、世界の最良実施例に照らし合わせて、様々なCAE 手法や最適化技術をまとめたり見直したりすることに追われています。

「現在は、目標が達成されるまで設計最適化技術が繰り返し適用されています。以前は、NVH担当者はNVH を行い、耐久性の専門家は耐久性を検討していました。その上でエンジニアたちは、ロバスト設計に向けて異なるすべてのCAE 評価特性をまとめ上げようとしていました。しかし今では、LMS Virtual.Lab やLMSImagine.Lab のような多分野にまたがるソフトウェアのお陰で、それも変わりつつあります」と、Mario Felice 氏は話しています。

データのやりくりを回避

動力学、水力学、音響など、様々な物理分野に対処するため、Mario Felice 氏と彼のチームは、L M S I m a g i n e. L a b A M E Si m とL M SVirtual.Lab の1D および3D シミュレーション機能を活用し成果を上げています。彼らは、マルチボディ機構解析からFE モデルによる周波数応答解析や音響モデリングまで、あらゆるものにLMS Virtual.Lab を利用し、さらに1D 流体ダイナミクスにはLMS Imagine.Lab を利用しています。また、ハイブリッドエンジニアリングに対しては、LMS Test.Lab から実験データを取り込んで解析用の数値モデルを作成しています。

「我々は解析プロセスから多くの日数を削減しました。そして時間効率は大幅に向上しました。もう、データを再編集したりソフトウェアからソフトウェアへ渡り歩いたりする必要はありません。以前の状態は、まるで一方通行の道路のようであり、何の相互関係もありませんでした」と、Mario Felice 氏は説明しています。

「複数の属性にまたがったエンジニアリングでは、最適化コードは複数の分野を扱うことができなければいけません。これは我々のプロセスにとって鍵となるものですが、最終的に、お客様にとってはそれがNVH であろうと耐久性であろうと関係ありません。お客様は頑丈さや静粛性を求めているのであり、性能を求めているのです。我々の新しいCAE のアプローチとツールは、それらの特性を横断することでお客様が望むものを実現しようとしています。

Ford社のチームにとって最大の課題の1つは、3.5リッターEcoBoost V6エンジンを、パワフルで有名なフォードV8エンジンと同じくらい信頼性を高めることでした。

「EcoBoost エンジンは、エンジニアはもちろん当社のサプライヤーに対しても欠陥ゼロの理念を要求するほど、徹底的に品質にこだわって設計されました」と、グローバル製品開発部門の担当副社長Derrick Kuzak氏は話しています。

これまで、ミシガン州ディアボーンにあるFord 社のダイナモメータ実験室では、多数の直噴ツインターボ3.5 リッターEcoBoost V6 エンジンが12,000 時間以上の耐久試験を耐え抜いてきました。これは、一般ユーザーの運転では500,000 マイル(800,000 キロメートル)以上に相当します。この“Ford-tough” 試験には、エンジンをその限界まで到達させることを目的とした、20 種類のダイナモメータ・レベル試験が含まれています。この試験プロトコルは、最大のエンジン回転数と負荷、様々な冷却液やオイル温度、そして様々なユーザーの運転パターンのもとで、エンジンシステム全体の信頼性を検証するものです。

ロードサイクル耐久試験は、例えば、実際のユーザーの運転と車両メンテナンスパターンを再現することを目的としています。この試験では、EcoBoost 技術を取り入れたエンジンに対して、コールドスタートに続く340 lb-ft の最大トルクと340 hp の最大出力の連続運転が1,000 回も実施されました。また例えば、ターボマニホールドと排気マニホールドの大規模なCAE モデルが作成され、EcoBoost 技術の耐久性はもちろん、まさに耳に心地よいエンジン音を発することも確認されました。またエ
ンジニアは、排気系の熱解析と構造疲労解析を多数実施して、シリンダヘッドの接続部、排気マニホールド、触媒、およびガスケットの性能も調査しました。



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