多くのサプライヤー企業は、全範囲にわたるダイナモメータ施設へ投資することが困難ですが、NVH問題のトラブルシューティングをする必要があり、自動車に合せて自社のコンポーネントをチューニングする必要もあります。Visteon社はサプライヤーとしてその課題を理解しており、Visteon Portable NVH Dyanmometerという独特なソリューションを開発しました。このソリューションは、完全な自給式サービスを、クライアントサイトで提供する為に利用されます。このダイナモメータには、非接触レーザ技術とLMS CADA-Xシステムが使われ、自動車がランプを駆け上がってからほんの20分でテストを終了することができます。
モバイルラボの革新
モバイルラボの構想は、1998年に確認した市場ニーズのひとつに応えたものです、とVisteon社NVH部門のスーパーバイザーであるFrank Silvagi氏は述べています。多くのOEM製造工場やサプライヤー企業は、自社製品のNVH性能をリファインメントすることが必要でしたが、それを自社で実施するための資源も経験もありませんでした。
これらの企業は自社のサイトに来てリファインメントを実施できるラボを必要としていました。
自動車業界のどの企業もモバイル・サービスを提供していませんでhした。そこで現在、Visteon社のエンジニアが、オンサイトでテストを実施するだけでなく、プロトタイプおよび製造前監査、ベンチマーキングやターゲットの設定から、製造問題の根源の解析およびトラブルシューティングまでのあらゆる範囲の解析をカバーしています。
製造工場の場合、その代表的なミッションは、アセンブリラインからランダムに45台抜き出し、標準およびベンチマークの結果と比較するための一枚の製造スナップショットを提供して、品質監査を支援することです。代表的なトラブルシューティングのアプリケーションは、ドライブライン不均衡度の評価です。このモバイルラボが、それらの顧客が法規制とデザインに対するNVHの目標を達成するのを援助できることから、MobileDynoラボが、Visteonのカスタマーサービスの一つに加えられました。
最初のリグがVisteonの顧客のニーズに非常に良くマッチしたため、夏に北米(1台のラボだけで27ヶ月間の間に34箇所のアセンブリ工場を訪問)をカバーするために2台目のラボを追加する必要がありました。また同社は現在、3台目のラボをヨーロッパでセットアップ中です。
高速で、非破壊型の統合NVHテスト
モバイルラボの最も強い利点のひとつは、テストそのもののスピードです。今までは、車に測定装置を取り付けるのに半日かかり、そしてテスト後にそれらを外すのにまた半日かかりました。そのプロセスを劇的に加速するために、Visteonは、非接触レーザー測定(特許取得済み)を使用しています。
それにより、現在はテストを始めてから終るまで20分しかかかりません。そして、モバイルラボを利用する会社は、1週間に30~35台分のNVH解析を実行することが可能です。以前は月にそれほど多くの台数の解析を行えず、また、統計的に意味のある十分な台数のサンプルによるテストもできませんでした。
また、オンサイトテストにより、テストサイトまでのドライブによる損傷のリスクも低く抑える事ができ、公道では、法律制限を越えるパラメータでテストを実行することも可能にしました。
テストのみならず、解析まで
Visteonのチームは、単なるテストだけではなく、ソリューションも提供しています。通常、プロセスは完全なマルチチャンネルテストで開始され、その後NVH解析またはパワートレインダイナミクス解析のどちらかのパスを選択して実行します。これらのテストにより、自動車のデザイン検証プロセスおよび機能的な特性にとって欠かす事のできない動的要因が明らかになります。NVHテストにより、振動や車室内騒音の問題の根源を見つけてその場所を特定し、エンジニアにその状況を是正する方法についての洞察が与えられます。
ドライブライン解析は、運転者の不快感の根源となるドライブラインの粗さ、または車室内のこもり音を検出します。Visteonのアルゴリズムは、その不均等度を計算し、エンジニアがその問題を解決できるようにその是正方法を示唆します。
LMSツールを搭載
LMS CADA-X SMONおよびFMONが、VisteonのDynoラボ上でテストを実行可能にした2つのツールです。さらに、これらのツールにより、モバイルラボのテストスピードおよび成功の鍵となる非接触型レーザ測定を統合しています。モバイルラボで実施される仕事は、多くの場合、 1組のルーチンテストに基づいて実施されます。たとえば、車室内騒音についての情報は、テストの標準ランの一部として各ランで収集されます。LMS CADA-Xは、熟練したユーザーがデザインしたテスト手順を継承して標準化するために開発されました。Visteonのモバイルラボのスタッフは専門のエンジニアがあたっていますが、そのデータ収集は通常訓練された技術者が行います。モバイルラボのメンバーについて、「彼らは開発者が特定の問題に対処できる客観的なデータを提供します。過去のケースでは多くの場合主観的なデータでしたが、お客様は主観的でない運転後の意見を望んでいます」とFrank氏は述べています。
普通、2~4人のエンジニアからなるチームがテストを実施し、その箇所のテスト結果について、何が問題でそれがどこから来ているかを説明します。
音響データの可視化昨日を持つLMSのレポートツールにより、このことは殆ど瞬時に実施されます。「当社のミッションは、情報を収集しそれをレポートにまとめることです。お客様の責任はその情報を利用する事です。私達は、当社特有のVisteon品質プログラムなしには単なる診断しかできず、規範的なレポートを作成することができません」とFrank氏は述べています。
根拠地に戻ると、常設のVisteon NVHラボには、モーダルおよび伝達経路解析などのLMS CADA-Xツールが完全に装備されています。このことはその後、Portable Dynoラボで測定したデータを、ラボ内で広範囲にわたって加工できるということを意味しています。