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Woco社におけるNVH開発の請負業務拡大にLMSが貢献

Woco社がアジアのGMエンジニアリングセンターと協力して中国市場向け中型セダンを開発

NVH development vibro-acoustics powertrain suspension system engine noise1自動車部品メーカーはビジネス戦略として2つの選択肢を持っています。それは世界的規模で顧客と密接に手を組むか、または忘れ去られるかのどちらかです。ドイツのWoco社は前者の優れた見本であり、最近の車両開発プログラム(特に中国の道路事情、燃料要件、および顧客の期待に合わせた中型セダンの開発)においてGM中国と緊密に協力しています。この新型車は、急成長する中国市場で立場を強化しようとするGMの計画にとって極
めて重要な意味を持っています。

Woco社の役割はパワートレインサスペンションの開発に集中したものでしたが、彼らは同プロジェクトのすべての段階でLMSのシステムに大きく依存していました。LMS Test.Labが高速ターンアラウンドの実験と結果の分析に用いられ、LMS Virtual.Labが振動源の迅速な特定と、設計変更の影響を見るためのシミュレーションに用いられました。そしてWoco社のエンジニアはマウントとブラケットの最適な配置を決定することができました。LMSシステムによって生成されるレポートには生のデータが含まれているため、中国にいるエンジニアはアニメーションを表示したり、表示方法を変更したり、イメージと対話したりすることでサスペンションの挙動を的確に捉えることが可能でした。このようにして、LMSの技術の陰でWoco社は、パワートレインサスペンション設計のすべてについて責任を負うことが可能となり、この重要車種の厳しい発売スケジュールに間に合うよう納入先企業と緊密に協調することができたのです。


中国に目を向ける自動車メーカー

低い製造コストで知られる中国は、今や自動車など高額商品の消費市場として巨大な可能性を秘めていることでも認められています。この成長を後押ししているのは中国における富裕層の増大ですが、まだ比較的少数の人々だけが車を所有しているのが現状です。最近の統計では、1,000人のドライバーの内で車を所有するのは、欧州では500人、北米では700人であるのに対して中国では20人となっています。

中国は現在2番目に大きな自動車市場を形成しており、乗用車販売は2006年度に16パーセントの伸びが期待され、今後5年間の年間成長率は10~15パーセントと予想されています。General Motors社はこの国で特に好調を維持しています。同社は2005年に中国で665,390台の車を販売し、業界をしのぐ35.2パーセント増を記録して11.2パーセントの市場シェアを獲得しました。これは前年比1.8ポイントのアップです。

GM社の中国での成功は、前例のない程多くの新型車および改良車を発表した結果だと考えられています。同社は引き続き中国での業務を拡大しており、とりわけGM最大の中国合弁企業であり同社の中国での売り上げの半分を占める上海General Motors社において強化しています。同社が2006年始めに導入予定の最新モデルは、GM社のもう1つの合弁企業であるPan Asia Technical Automotive Center(PATAC)で中国市場向けに再設計された高級中型セダンのビュイック・ラクロスです。

振動音響分野での専門技術の活用

NVH development vibro-acoustics powertrain suspension system engine noise2ラクロス用のパワートレインサスペンション開発に際して、GM社とWoco社で
一連の重要なNVH問題の業務分担について話し合いが持たれました。それらは、競合車種の評価とパワートレインサスペンション装置一式の開発、そしてシャシーを通して伝達されるエンジン騒音が車室内で特定のレベルを超えないようにすることでした。


このようなWoco社にとってハイレベルな業務の大部分は、この種の振動騒音低減策に関する完成車メーカーとの協調関係によって得られたものです。Franz Josef Wolf氏によって1956年に設立された同社は、ゴム部品メーカーとして高い名声を確立しました。彼の会社が他の部品メーカーとの高まる国際競争に直面するようになったとき、彼はマウントやブッシュその他のパーツで培った振動騒音の低減に関する数十年にわたるノウハウをベースに、NVHソリューション一式を自動車メーカーに提供することでWoco社を差別化しようとしました。結果として、売り上げは過去十年間で3倍以上となり、従業員は2倍以上に増え、生産拠点は世界中に拡大しました。現在Woco社の顧客リストは、GM社、DaimlerChrysler社、Ford社、Volkswagen社、三菱自動車、BMW社、Audi社、Peugeot社、そしてRenault-日産自動車など、主要自動車メーカーのまるで紳士録のような状態です。

「Woco社の変貌とその事業の途切れのない成功は、振動音響分野での当社の従業員の素晴らしい専門知識を活用した最先端のテクノロジーによるものです」とWolf氏は語っています。「そのようなツールによって、我が社のエンジニアは世界中の顧客と緊密に協力しながら可能な最善のソリューションを開発するために、彼らの知識を効果的に適用することが可能になるのです。テクノロジー、ノウハウ、そして協調が我々にとって一番の競争上の優位性であり、当社のビジネスの成功を常に確実なものとする要因なのです。」

この計画に不可欠なものとして、同社はLMS Internationalの提供するテクノロジーに強く依存しています。「これら先進のソリューションは、エンジニアにとって複雑な自動車部品の振動音響挙動に対して貴重な知見を得ることが可能になるという意味で、我々のNVHプロジェクト全体を通じて戦略上重要な役割を担っています」と、Woco社の車両およびコンポーネント試験・計測・解析部門のマネージャであるReinhard Eder氏は指摘しています。彼によると、実験室試験とフィールド試験のためのデータ収集とシグナルコンディショニングは、32チャンネルLMS SCADAS IIIフロントエンドと分析および表示用のLMS Test.Labソフトウェアで実施されています。この試験システムはまた、振動騒音シミュレーションと仮想プロトタイピングのためにLMS Virtual.Labソフトウェアと組み合わされて使用されています。

「LMS Test.LabとLMS Virtual.Labは、統合ソリューションとして我々のNVHエンジニアリング業務に目に見える効果を発揮しています。これらのツールによって、我々は騒音/振動防止策の開発、試験、最適化を効率良く行うこと、そして重要な結果を我々の顧客に迅速かつ明確に伝えることが可能になります」と彼は説明しています。「これらの機能を用いて、我々は顧客が抱える問題を効果的に解決し、彼らの製品に対する完全なNVHソリューションを提供することで、我々と顧客の距離はさらに縮まります。この点において、LMSのソリューションは単なるハードウェアやソフトウェアではありません。それは、Woco社が大手自動車メーカーその他の世界的な製造業各社に対しNVHの包括的サービスプロバイダとしての地位を確立する上で、我々のビジネス戦略上の重要な要素となっています。」

ラクロス用の4点式パワートレインサスペンション

NVH development vibro-acoustics powertrain suspension system engine noise3ラクロスのプロジェクトでは、Woco社は同様の中型競合車でパワートレインサスペンションの挙動を検討することから始めました。LMS Test.Labを用いて、車内の主要位置に設置された加速度計とマイクロホンで、様々なギア比とエンジン回転数に対する周波数応答データが収集され分析されました。次に、応答振幅と周波数の関係を示す一連のグラフによって、このデータと様々なパワートレインサスペンション設計のプロトタイプで測定された同様のデータが比較されました。LMS Test.Labの効率的なデータ分析と表示機能を利用することで、Woco社のエンジニアはPATACと協力し、4点式サスペンション(横揺れ防止用トルクリストリクタ付きストラットマウント、前後部のエンジンマウント、そしてトランスミッションマウントで構成)の方が、初期の設計案よりも効果的で重量が軽くコストも低いことを容易に示すことができました。

NVH development vibro-acoustics powertrain suspension system engine noise4決定されたこの設計案をもとに、Woco社はパワートレインサスペンションの詳細設計を開始しました。そして様々な稼働条件に対して最適な性能を示すマウントとブラケットのサイズと位置が決定されました。この段階では、個々のマウントのほかにサスペンションクレードルのアセンブリも様々な周波数で試験され、それらの音響伝達関数(NTF)すなわち振動伝達に関わる静剛性および動動剛が決定されました。また、GMの試作車両に設置
された加速度計でマウント位置での加速度が測定され、さらにドライバーと乗客のシートに設置されたマイクロホンで、加速、アイドリング運転、エンジンシェイク、およびキーオン/オフ時の車室内騒音が測定されました。

「試験はLMS Test.Labのプロンプトその他の自動化機能によって迅速にセットアップされ、そして非常に効率良く測定データが収集されました」とEder氏は話しています。「幅広い帯域幅とチャンネル数により、我々は振動および音響の様々なタイプのデータを一度に収集することができました。また、共振の確認(次数分析)などのデータ分析はその場で実施でき、我々は選別した結果をリアルタイムに表示したり、必要であれば、更なる検討が必要となる試験を特定したりも可能でした。その上、LMS Test.LabからLMS Virtual.Labへの結果データの転送も、両システムは緊密に統合されているため非常に容易でした。」


仮想モデルによる製品性能のシミュレーション

NVH development vibro-acoustics powertrain suspension system engine noise5Eder氏によれば、LMS Virtual.Labを用いて、各マウント特有の剛性と稼働時の変位をもとに、システムのNTFにマウントの稼働時の構造入力荷重を掛け合わせることで計算された全周波数応答によって、パワートレインサスペンション装置全体をモデル化することができました。このようにして、LMS Virtual.Labの伝達経路解析(TPA)から車内の特定位置(ドライバーと乗客の耳の位置)で合成された振動が決定されました。そして、仮想モデルと実験データの相関性が検証され、Woco社のエンジニアはサスペンション構成を変更した場合の影響を予測する手段を得ることができました。その結果、彼らは実物ではなく仮想モデルでマウントのサイズと位置を変更しながら、サスペンションアセンブリの挙動を最適化できたのです。エンジニアはシミュレーション結果を元に、マウントの静的および動的挙動を変更することで、サスペンションの防音/防振性能を大幅に改善することができました。

NVH development vibro-acoustics powertrain suspension system engine noise6「LMS Virtual.Labによって我々は、パワートレインサスペンションに加えた様々な変更の影響を検討し、迅速に総合的最良設計に到達することができたのです」と、
Woco社のラクロス・パワートレインサスペンション開発プロジェクトのエンジニアリング開発統括者であるWaldemar Hermann氏は話しています。「この一連の代替案を評価するためのシミュレーション作業に要した時間はたった数時間でした。試作品を組み立てて試験する方法では数週間の試行錯誤が必要だったかも知れません。」


Eder氏によると、このようなシミュレーションは、最適化されたパワートレインサスペンションの試験中に3700rpmで現れたこもり音の問題解決に特に役立ちました。LMS Virtual.Labの寄与度解析機能によって車の周波数応答を詳細に調べた結果、エンジンマウントはこの3700rpmでのこもり音の発生原因ではないことが示されました。これらの調査結果を知らされた顧客は、排気系に対してさらに深く調査を行い、このこもり音問題NVH development vibro-acoustics powertrain suspension system engine noise7 の根本原因がオリフィスの騒音であることを見付けました。顧客はオリフィス音に関して排気系を変更し、その結果、サスペンション設計にこだわっていれば生じたかも知れない無用な遅れを招くことなく車両設計を改善することができました。

「寄与度解析は非常に強力なツールで、我々は即座にグラフやカラーマップ表示で振動の発生源とその大きさを知ることができます」とHermann氏は指摘しています。「このようにして我々は、ある問題区域で車のどの部分が構造的に最も高く寄与しているか調べることができます。この機能がなければ、問題の根本原因を突き止めるためにかなりの回数の試験と試行錯誤を行う必要があるでしょう。」

GM中国との協調作業

Eder氏によると、LMSシステムの効率性により、プログラム全体を通した迅速な問題解決と厳しいスケジュール管理に応えられるだけの高速ターンアラウンドが実現されるため、GM中国のPATACなどの顧客とより緊密に作業することも容易になります。その上、Woco社とPATACは、自動車メーカーの車両全体に対するさらに進んだ分析や追加のシミュレーションのため、データファイルを交換する機会も手軽に持つことができます。Eder氏は、LMSのレポート作成機能がラクロスプログラムで特に有益であることに気付きました。この機能によって、生の実験データやシミュレーション結果を対話型レポートに簡単に挿入できます。

PATACのエンジニアは、対話形式でデータをクリックしたりスクロールするだけで、特定エリアの詳細な検討を行ったり、彼ら自身のドキュメントやレポートに図やアニメーションを取り込んだりできました。このようにしてWoco社は、車両開発プログラムで顧客と世界的に協力するための能力と意欲そして専門知識を実証することができました。



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